真っ暗な橋の下で撮影。右と左からストロボ2灯で撮影しています。
これは、ヘタレな初心者の私によるヘタレ仲間への助言記事です。
プロや上級者の方々って初心者向けといいながら、ホントのホントに初心者向けな情報はあまり教えてくれないんですよね。
私は、YouTubeやWEBサイトを読み漁ってから初めての夜ポトレに挑みましたが、プロがいうようなコツ以前の段階で躓いて失敗しまくりました。

って事で、超低レベルな僕の失敗談を羅列しとくから参考にしてね
きっと読んでおいて良かったって思ってくれると思うよ
あくまでオフストロボ撮影(カメラの上にストロボをつけずに遠隔操作でカメラマンとは別方向からストロボを光らせる)の場合の話であり、そうでない人には必要ない記事です。
上級者向けのテクニックなどは一つもありません。
機材編
機材トラブルが起こらないようセッティングの練習と動作確認をしておく
僕ら庶民の味方、中国製ストロボ「ヨンヌオ」
私の初めての夜のストロボ撮影は、これを怠って失敗に終わりました。
スタンドを立てて、ストロボをセッティングして「さあ、撮るぞ」と思ったら何でかストロボがちゃんと光らないんです。
ほぼ真っ暗闇のロケ地だったので、ストロボが光らないと何も出来ずに凄く困りました。
原因は以下。
- ホットシューに電波を飛ばすメカ(名前忘れた)をきっちりハメられてなかった。
- 私が当時使っていたカメラではシャッター速度160以下でないとストロボが使えないのを知らなかった。
- お金をケチって、途中に障害物があると電波が届かないような機材を使ってた。
最近でこそ機材の扱いに慣れたので、ストロボが光らないというトラブルもあまりなく、
ストロボが光らないなら光らないで撮りようもあるので焦りはしませんけど、初めての時はアタフタして、撮影どころではありませんでした。

逆にいえば、とりあえずストロボが光ってくれれば何かしらは撮れるので
機材セッティングの反復練習は最重要
最低限の機材は揃える
特に遠隔操作でストロボの光の量を調整するメカは必須です。
たださえ初心者は色々と撮影準備に時間がかかるのに、いちいち走ってストロボのところまで行って設定を変えてる余裕はないです。
それから、ソフトボックスのような光を柔らかくする機材も欲しい。
必要か否かという議論以前に、光が柔らかいほうが適当に光を当ててもそれっぽくなるので撮影難度が下がります。
私はずっとこれらをケチって買わなかったので 今思えばしなくていい苦労をいっぱいしてました。

ケチれるところはケチってる僕だけど、ちゃんとした機材があるとないでは撮影しやすさが雲泥なのを思い知った
屋外撮影の場合、アンブレラは風に弱すぎるので避けた方が無難
光を柔らかくする機材にはアンブレラの他にもソフトボックスやラウンドフラッシュなど色々とありますが、私が最初に買ったのはアンブレラです。
何故なら安いからです。
アンブレラとかいうと粋な機材に聞こえますが、ほんとに普通の傘です。
そんなに強い風じゃなくても、モロに風を受けるのでバタバタバタバタよく倒れるんですよ、ほんとに。
実際、これでストロボを一つ壊しました。
有名な光の魔術師イルコさんがYouTubeで倒れないようにするコツを教えてくれてるのですが、
ほんとにしっかりと実践しないとバッタリいくので、他に意識をとられて細かい事に気がいかない初心者には危険です。
私は現在、ラウンドフラッシュを使っています。
光の量がすごく減るので日中シンクロには向きませんが、セッティングも収納も楽で使いやすいからです。
己のカメラの限界性能を知っておく
特にISO感度がどこまで上げられるのかを把握しておかないと失敗します。
「ストロボを使うのだからISO感度はあげなくても綺麗に撮れる」と私は勘違いしていて、
実際の撮影の時に間違いに気づき、ISO感度を上げまくって失敗しました。
例えばこの写真はISO感度1600で撮って、レタッチでさらに明るさを上げてるのでノイズ入りまくりです。
ストロボの光が当たるモデルさんはストロボで明るく出来るのですが、背景はストロボではどうにも出来ません。
この写真に関していえば、ISO6400ぐらいまで上げるか、シャッター速度をかなり遅くしないと これぐらいの明るさで背景は写りません。
この時に使っていたPENTAX KPであればISO6400は何とか耐えられますが、その前に使っていたK-50だったら完全死亡です。

このへんの性能は、カメラによって全然違うからね
プロやカメラヲタクがいう設定基準は上等なカメラの場合だから あまり参考にならない
奴らには旧型のエントリー機で夜ポトレに挑まねばならない兵士の気持ちなんて分からないのです
モニターの明るさを調整しておく
どうでもいいようで重要。
写真を撮ると背面モニターでどんな感じか確認する人は多いかと思いますが、この背面モニターの明るさは実際のデータの明るさと同じではないのです。
これに気づかず、私の写真は全部、暗めに撮れてたので毎回毎回レタッチで明るくしていました。
日中の光が豊富にある時に撮った写真なら少しぐらい後から明るさを上げ下げしてもどうってことないのですが、
シビアな環境で撮った夜のポートレートの場合、この差が命取りになるんですよ。
特にせっかくストロボを使うのに、モデルさんが暗めに写っちゃうなんてすごくもったいないし。
私はPENTAX KPも新しく買ったα6400もモニターの明るさを初期から一段階 落としています。
この写真は、ストロボを使って初めて狙ったとおりの明るさで撮れた写真。
ロケ地編
とにかく空いてる場所が良い
インスタ映え狙いの写真って、自分がポートレートしてみると分かりますが、そこで撮ったら周囲の迷惑すぎるだろって場所が多いです。
彼らは戦場カメラマンの遠い親戚みたいな神経をしてるので、僕ら一般人は真似しない方がいいです。
昼間、普通にストロボなしで撮るのであればまだ良いですが、夜にオフストロボ(三脚にストロボ乗せて遠隔操作で)で撮影する場合、かなり目立ちます。
写真の良し悪し以前に、周囲が気になって落ちつけない環境だと ちゃんと写真は撮れないです。
なるべく明るい背景がある場所が良い
撮影機材のところで触れましたが、ストロボで背景を明るくする事は出来ないので、
ある程度の明るさがないと、ISO感度を上げまくるか、シャッター速度を落としまくるかしないとマトモに写りません。
風景だけを撮るならシャッター速度をそれなりに下げても撮れますが、人物は動くので初心者にはリスクが高いです。
私もたくさん失敗してます。
問題は、明るくて空いてる場所って あまりないんですよね。
なので私は最近、完全に明るさを捨ててます。でも撮影が難しいです・・・

あまり移動時間の長いロケ地に行きたくないという理由もあるけど
暗すぎる場所ではAFが死ぬ
カメラの性能によって大きく変わりますので、自分のカメラのAF性能は自分で掴んでおくしかないです。
- 昔使ってた旧型のエントリー機のAFはちょっと暗いだけで辛い。
- 次に使ってたPENTAX KPでは、だいたい何とかなったけど速度と精度が低く、逆光では完全に無能になったことも。
- 最近買ったSONYのα6400のAFは超高性能ですが、さすがに明かりがほぼない場所では瞳AFは使い物にならず。(そんなところで撮るなよって話ですが)
でも、さすがSONYの新型だけあって、それでも何とかだいたいピントは合わせてくれました。
なので、ロケ地を選ぶときは自分のカメラの性能でAFが効く程度の明るさの場所にしておきましょう。
PENTAX KPのAFが死亡したロケ地。真っ暗+車道を走る車のライトで逆光。
暗い場所で寝転んでローアングル撮影してると車に轢かれて死ぬ

マジで危ないッス
撮影編
ストロボは被写体の動きを止めるというけど、初心者は止められない
ストロボは一瞬しか光らないので、被写体の一瞬だけを止めて写してくれます。
でも、それは諸条件を揃える事が出来る上級者の場合。
シャッター速度2.5秒で撮影。2灯使ってもヘタクソが撮るとこうなります。
暗い場所での撮影の場合、「ストロボで被写体の動きは止まるのだから、めいっぱいシャッター速度を遅くすればISO感度をあげなくていいじゃん」って思って撮った写真です。
残念ながら、ストロボが光るのは一瞬でも、ストロボが光ってない時間の情報もカメラには写るので考えなしで撮ると立派にブレます。
これは成功例。
真っ暗な場所なんですが、被写体が友人であり、時間が無限にあったので、
設定をちょっとづつ変えながら のんびり撮れたからこそ撮れた写真です。
シャッター速度を被写体がブレないギリギリまで落として撮ってますが、例えば時間に限りのあるプロのモデルさんが被写体の場合、初心者がこんな事をチンタラやってる余裕はないでしょう。

なので僕はストロボの時間停止能力には過度に期待せず、それなりのシャッター速度で撮ってるよ
バックライトの位置調整はマメにする
2灯撮影の場合、1つをモデルさんの真後ろに置く方は多いと思いますが、
モデルさんで隠していたバックライトが、モデルさんが動く事でモロにカメラに写ってしまう事が多々あります。
それからパープルフリンジにも注意。
私が以前に愛用していたpentaxのFA limitedレンズは写りは大好きでしたが別名パープル番長と呼ばれているだけあって ちょっとの事で紫色の光線を発します。
最初はモデルさんで隠してたんだけど・・・
モデルさんがポージングを変えて動くのは当たり前なのでモデルさんが悪いわけでもないし、
普通は途中で気づくと思うんですが、私はけっこうやらかすんですよね・・・

俺のようなヌケサクは意識的に気をつけた方がいいぜ
ストロボを撮影現場に置き忘れる
ストロボを2個使うと1個をついつい忘れてきちゃうんですよねぇ・・・
大した回数は撮ってないのに すでに2回忘れて紛失してます。
モデルをしてくれてたエリスさんが気づいて拾ってきてくれた事もあって、それがなかったら3回紛失です。

もしかすると これだけ忘れっぽいのは俺だけかもしれんけど・・・
全滅を防ぐための保険
被写体をしてくれた方に一枚も出せる写真がないって辛いですよね。
恥ずかしながら私は1回目と2回目の夜ポートレートでは全く1枚もちゃんと撮れてる写真がありませんでした・・・
ISOやシャッター速度、ストロボの設定を何回か変えて撮っておく。
そうでないと最悪、一枚もろくな写真がないって事もありえます。
ありえますというか、普通にそうなります・・・
私の場合は、シャッター速度を下げすぎて失敗する場合が多いので、ISO感度を高めに設定したバージョンを意識的に撮っておくようにしてます。
ショーウインドウの光とかを使ってストロボなしの写真を撮っておく
例えば こういう感じ。
とりあえず、モデルさんに明るい方向を向いて黄昏てもらうだけ。
簡単だし、いい感じになるし、セッティングも要らないので時間もかからず保険としては最適です。
まとめ
難しくはないんだろうけど、慣れが必要な夜のポートレートのストロボ撮影。
未だに完璧に撮れたぞ!って写真はありません・・・(完璧でなくても気に入ってる写真はいっぱいありますが)
私は会社のWEBサイト用の写真を撮る事が多いので「普通に昼間撮れよ」と度々度々怒られてるんですけど、
楽しいんですよね、夜のストロボ撮影は・・・

とりあえず、初めての人は、空いてるロケ地探しと機材の扱いに慣れる事とISO感度の限界を知っておくことが大事かな